戦闘機型MMS「FL801"飛鳥"」



昼寝したら、夢枕に飛鳥が立っていたので、
「ああ、これはレビューしろということなのだな」
とエスパーしました。レビューです。
(もちっと具体的に表現すると、「バトマス」と思しき携帯機画面で、夜景の映えるステージを夜間飛行する飛鳥を、フリービューワと思しきモードで鑑賞していただけなのです)
(既存の「バトマス」に飛鳥は存在しないことから、「バトマス2」とエスパー)
(や、妄想夢なんですがね。とはいえ、昨今のゲームには、ポリゴンビューワはあっても、アクションビューワや、PVモードが無いのがつまらん)
(「セガラリー2」なんか、凄かったぞ)

さて、与太話を続けても仕方が無いので、本題。
今回のお題は、一部で「みこーき」とあだ名される、日本男児ご用達の、純情浪漫機体、フロントライン社製戦闘機型MMS「FL801"飛鳥"」です。
フェイスの換えとか、細かいところは既によそ様でレビューされているので、あくまでココでは飯野流レビュー。
こういう視点もあるのね位に押さえてもらえると助かります。

 

<素体フロント>


白を基調とした素体と、黒髪おかっぱが実に清楚な雰囲気をかもす、素体状態。
例によって、ガンダムマーカーの赤で紅をさしています。
恒例の作業ではありますが、この作業を行うことでなんとなく「自分の神姫」って思い入れがわくのは事実。
思い入れ、大事ですよね?
地味に胸元から肌色部分が見えているのがポイントといったところ?
ちなみに、我が家の飛鳥のパーソナルネームは「ラーストチュカ」。ロシア語で「燕」を意味するらしいです。
まあ、それはあくまでもゲーム上。普段は「飛鳥さん」と呼んでます。

 

<軽武装フロント>


胸部パーツを換装し、腰部〜背部武装をセットした状態。
背部武装がなければ、ミニ丈の巫女服とも取れなくは無いですが……。
背部武装を装備した途端に小学生じみた……というか、まんま戦中戦前の尋常小学校児童風外見に(誤解と偏見です)!!
背面に装備する赤いパーツはどう見てもランドセルですが、正式名称は「噴式推進"朱鷺"(以下、ランドセル)」すなわち、バーニアスラスターということになりますね。
まあ、ガンダム的記法に則るなら、文字通り「ランドセル」になるわけですが。


ランドセルに装備されている、縦笛状のパーツは実はビームサーベル……ではなく、ショートソード「霊刀 "千鳥雲切"」。
別パーツの刀身を接続することで、使用状態に。
刀身は非常に細く、折れやすい上、グリップとの合いがきついため、軸部分を削ってやると吉。
あっさりボッキリ逝きそうで、精神衛生上、よろしくございません。


サブマシンガン「flak17 1.5mm機関砲」。
マガジンが側面に飛び出した見た目が、第二次世界大戦中に英軍が配備したサブマシンガン「ステン」や、後継の「スターリング」みたいですな。
引き出し式グリップと、装着用軸があるため、手に持たせることも、他の武装に接続することも可能。
マガジンは左右に自由に接続できるため、どちらの手でも装備可能。
この辺はデザインとプレイバリューが上手く両立されていて、好感がもてます。

 

<武装フロント>


セットされている武装一式を装備すると、デザイナーの島田フミカネ氏の描く、「メカ娘」そのまんまの見た目に。
「戦闘機型」というキャッチコピーから、ジェット推進の近代機か、SF機かと思いきや、何とびっくり、大戦機を髣髴とさせるレシプロエンジンだったという罠。
島田氏の趣味か!?

 

同氏がデザインしたSFメカ風味のアーンヴァルのコンセプトを、和風レトロにリファインしたようにも見えます。
とはいえ、大柄な手持ち武装を持たず、付属する武装も、ほとんど本体に固定可能というデザインなど、「戦闘機」らしさを前面に押し出すなど、飛鳥ならではの独自色もちゃんとありますね。
また、装備全体がかなり小柄にデザインされているため、武装状態では、外骨格スタイルのアルトレーネや、ストラーフよりもかなり小柄。
似たような武装パターンを持つ、ツガルと比較しても、やはり小柄に見えます。

 

足回りを構成するレッグアーマー「着陸脚"鶴林"」は、その見た目に反して、ハイヒール状の足首があるので、素体の保持力さえあれば、下の写真のように自立可能。
流石に常時自立させるのは怖いですが、ココ一番って時に覚えておくといいことあるかも。
(普段は、リアのエンジンユニットを第3の足として使用して、3点支持すると吉)


フライトユニット「回転翼"飛輪"」の主翼は基部で可動するため、艦載機のように翼をたたむことも可能です。

  

<武装リア>


背面に推進用のエンジンと、プロペラがある構造から、エンテ型風の推進システムであろう事は想像がつきますが、直接的な機体モチーフは不明。
見た目に、「震電」を彷彿とさせてくれますが、エンジンまわりのディティールから「飛燕」にも似ているのではなかろうかと。
いずれにせよ、大戦中の旧軍機のモチーフをそこかしこにあしらったデザインであることは間違いありません。

マシンガン「flak17 1.5mm機関砲」は2挺付属するので、ランドセル側面にマウント。機首機関砲のイメージです。
そのため、ランドセルに装備していたショートソード「霊刀 "千鳥雲切"」は左腰にマウント。帯剣するイメージですね。

 

<アクション>


やはり飛ばせろ戦闘機。
素体の首まわりの可動範囲の問題から、真上を向かせることが難しいため、飛行ポーズはやや前傾気味がちょうどいいみたい。
「エールストライク」やら、「ドラグナー」風?
風の抵抗はすごそうだけど。

モーターライズして、プロペラを回す人もいるようですが、確かにこれは回したくなりますね。
(コナミさん、仮に飛鳥のバージョンアップ版とか、Mk-IIを出すとして)
(モーターライズくらいは挑戦してもいいと思うぞ?)

腰部装甲「朱袴"八重牡丹"」と脚部が干渉する為、脚部周りの可動はよろしく無いです。
とはいえ、まったく動かないってことは無く、飛行中のバランサーとして扱う程度には十分な可動域を持ちます。
いわゆる、AMBAC稼動肢ってやつですね。
 

<ディティール類>

人間で言うところの、膝部分には驚きのランディングギアが内蔵されてます。
装甲裏も塗り割けられられているので、実機感が出ています。
(つか、普段見えない部分の塗分けとか、かなりコダワリ)
パケ画や、ゲーム画面では、膝関節として普通に動かしてましたが、個人的にココは戦闘時は常時不可動としたほうが理にかなってるんじゃなかろうかと思いますよ?
主に、航空機のランディングギア的意味で。
(戦闘飛行時にギア下ろすなよ!風圧で破損するから!絶対に下ろすなよ!)
まあ、常時「飛行」しているわけじゃないんで、そこまで突っ込むのも野暮ですね。

膝同様に、足首にも補助輪が隠されています。
で、このギアを使用することで、いわゆる着陸態勢=駐機状態を再現可能という、こだわりのギミック。


戦闘機なら、飛行、駐機、両方楽しみたいという心理でしょうかね。
……膝立ちで、滑走路をチョコチョコとタキシングする飛鳥……。
わぁ、かわいい。


キットに付属するおまけパーツとして、投下式増槽がセットされている辺り、嬉しくなっちゃいます。
写真では、右腰にマウント。

映画や、ゲームなどでよく見かける、会敵時、増槽を切り離して機体を軽量化させ空中戦に移行する、「あの」シーンを演出できるわけです。

胴体下に1本搭載する増槽をイメージしたのか、キットに付属する増槽は1本。
2本付属して欲しかったという声も聞きますが、個人的に、胴体下に1本だけ増槽をマウントした零式艦上戦闘機の印象が強いため、これはこれでという印象。
(キット入手後、こっそり立川ボークスで1本余剰パーツを購入したのは内緒)
(でも、結局1本しかマウントしないのであった)
ちなみに、翼下に取り付けてあるスマートボム「三六式航空爆弾」はちゃんと2発セット。
雰囲気出てます。
飛鳥の参戦している「バトルロンド」では、なぜかミサイル扱いですが……(えー)。

 

ところで、本機で一番デザイナーのコダワリが伝わってきたのが、↓


レッグアーマー「着陸脚"鶴林"」の足首部なんですが、ヒールに2箇所穴があけられているんですね。
パーツ構造的に、ココに穴がある必要性は無いと思うので、これ、おそらくフミカネ氏によるデザインによる肉抜き穴だと思うんですよ。
パケ画では描かれていない、というか、見えないアングルなのでよく分からないのですが。
ともかく、航空機ゆえ、軽量化は必須事項。そのための肉抜き演出って事なんでしょう。
もうね、そう考えたらうれしくなっちゃいます。
つま先まで抜かりなしってことですね。

 

<その他>

ちなみに、本レビューで使用した我が家の飛鳥、ディティールをはっきりさせるため、スミイレしてあります。


やはり、スミイレしておいたほうが写真映えはしますね。
航空機らしいパネルラインがキレイですな。
完成キットに限らず、やはり模型には必要に応じてスミイレしてやると、ぐっと絞まりますね。いい感じ。

 

<総評>

外骨格を採用するわけでもなく、武装ユニットの合体変形があるわけでもなく、その上、クリアパーツなど見た目に派手なパーツを使うわけでもない。
カラバリ機は、暗色系リペイントの、「夜間戦闘型」だし。
(いっそ、レッグアーマーにフロートを装備して、紺色塗装の素体を採用した、「海戦仕様」とかでも良かったかもネ)
そんな見た目にも地味な機体ですが、根強い人気があるのには訳があるということでしょうか。

和風デザイン故の、「ワビサビ」って奴でしょうか。

戦闘機という尖ったモチーフながら、落ち着いた、しっとりとした風情を感じさせる、良い機体です。

 

とはいえ、ゲーム「バトルロンド」中の飛鳥のキャラクターはかなりのもの。
普段は「サクラ大戦」登場の北大路花火嬢を髣髴とさせる、おしとやかな大和撫子キャラなのですがね。
(洋館住まいの深窓の令嬢とか、色々妄想できますな)
それが、いざ戦闘となると、特攻やら、自決自爆、ザ・サシチガエも辞さない切羽詰った状態に。
旧軍風戦闘機故の性質なんですかねぇ、見てるこっちがハラハラしてしまう。
学徒動員じゃないけど、そういう場違いな人員にありがちな、恐怖を責務で押し殺して生み出したであろう、異様な士気に支えられた強さと危うさというのかな。

そのような、一抹の危うさと繊細さが見え隠れする、硝子のようなキャラクター性は……日本男児の守護本能を刺激するに余りある!!
こんな娘を前線に出しちゃだめだ!出さない戦をするのが、俺らの仕事だ!的な。
……なるほど。
機体単体のワビサビデザインもさることながら、この危なげな妹属性が奏功して、津々浦々の「武装紳士・淑女」を惹きつけて止まないのか。
納得。

 

はて?

……特攻も辞さない、背水の陣的切羽詰ったキャラクター性、
……航空機?
……子供の居る戦場?


おや?

REVIEW


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